任意売却って何?という方は、まずはこちらの記事をご覧ください。
実は現在我が家が建っているこの土地は、任意売却によって市場相場よりも2割ほど安く購入したものです。
もともと築23年ほどの古い住宅を中古で購入し、夫婦でDIYをして数年間暮らしていたというのは以前の記事にもサラッと書きました。
失敗しない家づくりのために今すぐやるべきことを統計付きで徹底解説
その中古住宅の購入こそが、我が家が任意売却で取引した記念すべき第1回目です。
市場よりも安く購入できたからこそ、数年のうちに完済し、理想の家に建て直すことができました。
ちなみに2回目はお隣さんの土地を任意売却で購入し、庭にすることができました。
任意売却の流れをわかりやすく解説しているので、よろしければこちらもご覧ください。
初めての任意売却では様々なトラブルに遭遇することになりました。
けれどそれらのトラブルを一つ一つクリアにしていくことで、市場よりも安く購入することができたのです。
もしもあなたが注文住宅で理想の家を建てたいけれど予算が足りないというのなら、任意売却で家を購入した後に建て直せばその夢が叶うかもしれません。
- 任意売却は本当に安く購入することができるの?
- 任意売却物件ってどこで探せばいいの?
任意売却で購入することになるまでの経緯【実録】
まずは我が家が任意売却物件に出会うまでのことを書いてみます。
家を買うと決まってまずはじめに考えるのは、『お金のこと』という人が多いのではないでしょうか。
あんな家がいい、こんな家にしたいとワクワクしながら不動産屋さんのチラシを見たり、建設中の住宅を観察してみたり。
けれど、具体的に考えれば考えるほど、自分たちがおおよそ考えている予算と現実の金額とのギャップに打ちのめされていくことが多いと思います。
御多分に漏れず、十数年前に家探しを始めた私たち夫婦も、当時の収入や貯金額を考えながらずいぶん悩みました。
注文住宅を建てたい
当初は土地を買って注文住宅を建てて・・・こんな淡い夢を抱いていました。
何しろ大学で建築を勉強して以来、自分の家をずっと妄想してきたんですもの。
どんなレポートや課題よりも、将来の自分の家のラフスケッチや図面を書く時間のほうが多かったんですもの。
私の頭の中ではわがまま一杯の大豪邸に仕上がっているわけです。
とはいえ、予算は変えられません。
100パーセントの予算のうち、土地を10パーセントにして家を90パーセントにすれば、なんとか理想の家に近いものが建てられるかもしれない。
だけど、いざ予算の10パーセントの値段で買える土地を探してみると、とんでもなく辺鄙なところまで行かなければならないと知りました。
当時、まだ子供がいなく夫婦二人の生活でした。
子供が生まれたら、ある程度買い物する店や学校など周りの環境が整っているところのほうがいいのかな、と考えました。
となると、土地10パーセント案は、ちょっと無謀な気がしてきます。
建て売りなら買えそう、でも・・・
新築の建売、というのも少し検討しました。
けれど自分が思い描いていた家とはかけ離れすぎています。
この家のために30年以上のローンを組んでずっと暮らしていくのかと思ったら、やっぱり違うな、と思わざるを得ませんでした。
任意売却物件は中古住宅の中に紛れてる
そこで辿り着いた結論が、中古住宅を買ってリフォームして暮らすという案です。
10年くらいでローンを返せるような安い家でかまわない。
その間お金を貯めて、払い終わったら新しい家を建て直そう!と思ったのです。
結果的には、中古住宅に狙いをシフトチェンジした結果、いいなと思った物件が任意売却物件だったのです。
任意売却での購入には次の2パターンがあります。
- 普通に売りに出ている物件が任意売却案件だった
- 公開されていない任意売却案件
今回のケースはひとつめのパターンというわけです。
任意売却の家を購入したい!どうやって探したらいい?
市場よりもお得な価格で購入できるチャンスがある任意売却物件。
一方で任意売却には『瑕疵担保責任がない』『現状有姿』という、購入して長くその家に住みたい人にとっては厳しい条件もあります。
任意売却の注意すべきポイントについてはこの記事をご覧ください。
けれど、任意売却で購入した中古住宅を取り壊して土地として使いたいという人にとっては、家の不具合なんて気になりません。
任意売却限定で探すのは難しい
結論から言ってしまうと、任意売却を限定して探すというのは難しいです。
というのは、基本的には任意売却の性質上、あまり公にならないことが多いからです。
今回の我が家のパターンのように、詳しく物件の内容を聞いてみたら実は任意売却だったというケースや、そもそも公開していない場合がほとんどです。
では私がどうやって任意売却物件と出会ったのか、実録を続けます。
土地として使いたのなら、古家付き土地がおすすめ
「手を加えたらいい家になりそうな、面白い物件」
これを判断基準にして中古住宅を探しました。
中古住宅といっても、築年数が古くて家自体に金額的な評価のないもの限定です。
土地を買ったと思って、家自体よりも
- 土地の広さや形
- 周りの環境
- 現在と将来的な日当たりの確保
これらをよくよく見ながら探しました。
取引の内容によってもちろん違いますが、古家付きの場合『解体費用』分ほど相場よりも安くなっているものもあります。
ネットやチラシで探す
このように、自分の中では欲しい物件のイメージがかなり具体的に決まっていました。
ひたすらネットや新聞のチラシをみて、少しでも気になるところは記載されている住所から見当をつけて、地図を見ながら自分の足で探しました。
ほとんどの場合、物件自体はどの業者も同じものを「共有の情報」として載せています。
けれど気になった物件があれば、是非ほかの不動産屋さんのサイトなどでもチェックしてみてください。
その物件に対する新しい情報が載っていたり、違う角度の写真などが載っていたりします。
ともかく、いろいろな不動産屋さんに載っている画像をもとに、記載されている住所まで行って家を探しました。
なんで自分で探すの?
不動産屋さんに連絡すればいいのに。
と聞かれることが多いのですが、電話で住所を聞いたところで教えてくれるはずもありません。
しつこい営業や無駄な駆け引きをしたりが面倒だったのです。
それに、予算を伝えたところでそれよりも少し上を狙ってきたりするでしょう?
住宅の買取業者に勤めていたので、予算にあった面白い家を自分で探す自信がありました。
自分の中では明確な10年計画がたっていたので、予算に関しても一切妥協するつもりはありませんでした。
安くなりそうな物件を探す
職業柄、安くなりそうな物件に対して鼻が利くので、指値(※)をして予算内に収まるような物件を探しました。
(※)指値
『さしね』と読みます。
不動産業界では売主に対し『いくらだったら買いますよ。』と、金額を指定して購入意思を提示することがあります。
このことを『指値をする』といいます。
つまり、金額を指定して値引きをお願いすることです。
チラシを見ていて異様に『浮いている』物件ってあるんですよね。
言葉にするのは難しいんですけど。
私がチラシを見ていて特に気になるのは次のような物件が多いです。
- 中途半端な写真ばかりの物件
- まわりの相場より安すぎる物件
この浮いている物件、というのを見つけるのが任意売却物件を見つける近道かもしれません。
中途半端な写真ばかりの物件
不動産屋さんの営業にも売りやすい物件と、そうでない物件があります。
これはすぐに売れそうだな。
この物件は絶対に売りたい!
と思うような物件だったら、くまなく物件を観察して少しでも多くの人に見てもらえるよう、見栄えのいい写真を撮るはずですよね。
担当者のやる気がない物件って、なかなか売れないです。
そんな場合は、指値をする購入希望者が現れたら担当者が金額に応じるよう買主さんに説得してくれるケースがあったりします。
周りの相場より安すぎる物件
周囲の相場より明らかに安すぎる物件は、チラシには詳しく載せていないような家の瑕疵がある場合があります。
それは家自体の問題だったり、権利関係の問題だったり、それこそ任意売却物件だったり。
なんらかの早く売りたい理由があって、金額の交渉に応じてくれるケースがあります。
何らかの理由というのは例えば次のような場合です。
- 相続税が払えないから現金化したい
- 離婚したので財産分与したい
- 破産管財人による売却
- 競売が決まっている物件
気になる物件がどうしても予算に合わない場合は、交渉してみる価値ありかもしれません。
とにかく、毎日毎日その地域で売っている物件を満遍なく見ていると、なんとなく気になる家が出てくるものです。
我が家が任意売却で購入した家
この画像は、2階から撮ったものです。
画面向こう側の芝生の庭部分が、2回目の任売で購入した隣地の部分です。
手前の、車が停まっているコンクリの部分がもともとの土地になります。
今回の任意売却で購入したもともとの土地の全体像はというとこんな感じ。
赤線が建物のアウトラインになります。
右側にグレーで塗られている部分が私道。
黄色斜線の部分はアスファルトの駐車スペースです。
上の画像中心辺りのマンホールが配置図の中央の赤い丸。
赤で書いている塀は、隣地(今は庭)との境界として以前たっていたブロック塀です。
家が見えない家
もう一度配置図載せます。
購入を検討している時点では黄色の斜線部分のうち青く色が塗られている部分に、家よりも頑丈そうな2階建ての鉄骨の倉庫があったんです。
赤線の家の面積と比べてみると、どのくらい大きな倉庫だったのかが伝わりやすいと思います。
配置図を見てもらうとわかりますが、私道から見ると家が右側に奥まっていて倉庫しか見えないんですね。
ネットでこの家を見つけて、なんだかすごーく気になりました。
写真を見ると、倉庫??なにこれ?どれが家なの?という感じ。
どの不動産屋も売る気がない家
どこの不動産屋さんの写真を見てもそんなのばかり。
一般媒介の仲介業者がフラッと現地に行って、チラシに載せる写真を適当に撮るからどこも同じような写真になっちゃうんですよね。
間取りはというと、2間続きの和室と長い広縁。
南向きのダイニングキッチン。
面積の大きい1階に対して2部屋だけの2階。
手を加えれば大変身しそうな家
実際に家を探し当てて現地を見てみると、倉庫の圧迫感が半端なかったです。
でも、この倉庫さえなければ広縁は明るくて気持ちよさそうだし。
駐車スペースも十分ある。
実はこの頃、ある大手の不動産屋『J不動産』で、仲介手数料半額キャンペーンというのをやっていました。
自分で興味のある物件を探したら、J不動産へ行って希望の家だけを内見させてもらおうと決めていたのです。
そこで、いよいよ不動産屋に連絡して内見させてもらうことにしました。
次回、この話の続きとともに、不動産屋の営業マンにより良い情報をもらえるためのポイントなどをご紹介します。
こちらの記事からどうぞ。