家の中でも特にお気に入りのスペースが玄関です。
何しろ玄関は家の顔ですから、それはもうゴッソリこだわりを詰め込みました。
特に我が家は3階建てで3階がリビング。
今までと違って、ちょっとしたお客さんが来たときはリビングではなく玄関で対応することが増えると思ったから。
なので、玄関を開けた時に『おっ!』と小さな感動があるような玄関にしたかったのです。
我が家の玄関のこだわり
- 圧迫感のない広さ
- 掃除がしやすくおしゃれな床材
- ちょっと冒険もしてみたい
- 玄関のコンセプト
- 玄関の広さを決めたプロセス
- 玄関の床材を決めたプロセス
- 実際に採用した床材
- 一般的な玄関の床材の特徴
これらをご紹介しています。
玄関は広さと床材を決めるためにコンセプトをイメージする
どんな玄関にしようかな、と漠然とイメージしているだけでは、細かい仕様を決めるのはなかなか難しいです。
なので、住宅雑誌や映画などを参考に、まずは玄関のコンセプトを考えることにしました。
例えば
- 玄関に飾りたいもの
- 色の系統
- インテリアテイスト
ちなみに、我が家は家の外観と玄関の中は全く違うテイストです。
ついでに言うと玄関と2階3階も全く雰囲気が違います。
けれど特に違和感もなく、お客さんにも評判の玄関に仕上がりました。
なので、全体のバランスやつながりなどをあまり神経質に考えることはないと思っています。
我が家の玄関のコンセプトは『外人がイメージするニッポン』
実は私、チャーリーズエンジェルが大好きなんです。
その中でパーティーのシーンがあるんですけど、なぜか日本チックな内装でお酒のラインナップも日本酒なんですよね。
(1分15秒当たりでパーティーシーンが一瞬出てきます)
日本人としては、花魁みたいな和装のウェイトレスとか突っ込みどころ満載なんですけど。
外人さんからみた日本ってこんな感じなんだろうなっていう、変な違和感が大好きです。
他にもオースティンパワーズとかキルビルとか、『日本人のこと勘違いしてない?』っていうシーンがありますね。
芸者、侍、相撲取りのパロディみたいのが出て来たと思ったら、いきなり日本刀振り回すとか。
真っ赤な壁に虎が描いてあったり、得体のしれない仏様的なのが飾ってあったり。
アジアのいろんな国がミックスしちゃっているのか、日本人の感覚からするとそれないだろ!
と思わず突っ込みたくなっちゃうようなのありますよね。
古典的な純和風、ではなくて『日本強めのアジア』って感じでしょうか。
本当は玄関の壁を一面朱色にしたかったのですが、これは家族と設計士さんに反対されてしまいました。
そのかわり、赤でも金でも好きな絵でも飾ればいいと、玄関の一番大きな壁にピクチャーレールを付けることにしました。
ですが、今は母が趣味で作っているステンドガラスをかけるスペースとなってしまい、日本強めのアジア感ゼロになってます。
ちょっと前までは、主人が骨董市で見つけてきて私にプレゼントしてくれた真っ赤な花の絵を飾ってました。
裏に、カタカナでシャガールってサインがしてありました(笑
とにかく、我が家の玄関の作り込は『外国人がイメージする日本』をコンセプトに始まりました。
玄関の広さと床材をコンセプトから考える
玄関のコンセプトが決まったら、頭の中ではムクムクと玄関のイメージがわき始めました。
まずは具体的な広さを決めるために、玄関に置きたいものから考えました。
玄関の広さについて
まず大前提に、冒頭で書いたように広い玄関を希望していました。
主な理由は以下の通りです。
- ちょっとしたお客さんは玄関で相手をしたい
- 家族が多いから
- 玄関をきれいに保ちたいから
家族が多いので、どうしても出かける時や帰って来た時にワチャワチャしてしまいます。
全員がいっぺんに入っても、それぞれ靴を脱いだり履いたりできる玄関の広さを目指しました。
また、風水的にも玄関をきれいにしておくのは開運アップにもとっても効果的と聞きます。
狭い玄関に6人分の靴がぎゅうぎゅうに置かれているのが嫌だったので、きれいな玄関を保つためにも広さが必要でした。
また、玄関にはシューズクロークを設けたので、靴箱は作りませんでした。
収納量と導線にこだわったシューズクローク
ただガランドウとしている玄関も寂しいなと思っているところへ運命の出会いがありました。
とあるリサイクル屋さんで一目ぼれして買いました。
どこかの国の骨董と聞いたんですけどチベットだったか、モンゴルだったか。
南部鉄器には庭で摘んできた花をよく飾っています。
印鑑を置いているお皿も骨董と見せかけて、長男が図工で作ってきたもの。
とにかく、
- この棚を真ん中においても窮屈にならない広さ
- この棚にあう内装
我が家の玄関の仕様の条件にこのふたつが追加されました。
ちなみにこの棚の隣に置いているスツールは、大正時代のものだとか。
こちらもリサイクル屋さんで購入しました。
その隣に置いてあるのは照明です。
大きなガラスの花器はとっても便利です。
今は庭の雪柳を切ってきて活けてますけど、花屋さんで枝ものを買ってきて活けることが多いです。
鉢植えの観葉植物だと、末っ子が土いじりを始めるのでそのかわり、です。
枝ものだと1週間に1度くらい水を変えればいいし、けっこう長持ちするのでお勧めです。
春は桜の木を飾ったりして。家族にも好評ですよ!
実際に決まった広さがこの通りです。
赤い部分が玄関のたたきになります。
茶色の四角が先ほど紹介した骨董の棚です。
たたきの広さは約4畳。
シューズクローゼットと合わせて7畳ほどあるので、かなり広々とした玄関になりました。
子供達4人がそれぞれの友達を連れてきても、靴が散らからないのはとっても嬉しい限り。
玄関の床材について
まずはたたきについて。
おもな素材の種類としては以下の通りでしょうか。
- モルタル
- コンクリート
- タイル
- 石材
我が家の玄関はモルタルを使っています。
セメントに砕いた石や砂利と水を混ぜて練ったもの。
モルタル
セメントに砂と水を混ぜて練ったもの。
コンクリートのほうが強度が強く、モルタルはどちらかというと仕上げに使う素材ですかね。
モルタルやコンクリートのメリットとしては、タイルのように目地がいらないのでお手入れが楽なところです。
ほかに表面を平らにしてツルツルにならす金コテ仕上げというのもあります。
タイルは玄関の床材としては一番一般的でしょうか。
床材に使われるタイルは大きく分けると磁器タイルとテラコッタタイルです。
鉱物や粘土を混ぜたものを焼き上げたタイル
土を固めて焼いた素焼きのタイル
磁器タイルは頑丈で吸水性が低いため、水周りにも使えます。
テラコッタタイルは空気孔が多くて吸水性が高いので玄関やキッチンというよりかはリビングに最適です。
床暖房の床材として使うこともあるとか。
意外と一般住宅では、テラコッタ『風』の磁器タイルを使っている場合が多いのかも。
石材は有名どころだと大理石と御影石でしょうか。
大理石の特徴としては酸性に弱く、吸水性に高いというなんとも面倒な面があります。
醤油をこぼしたらすぐに拭かないとと染みになる可能性があるし、CCレモンをこぼしてほったらかしておくととツヤが消えてしまいます。
そしてめちゃくちゃ強いのでガラスを落とすと床ではなくガラスが大破です。
つまり大理石はめちゃくちゃメンテが大変で、業者さんに頼んでも嫌がれるパターンが多いです。
大理石に憧れる気持ちはわかりますが、こちらも大理石『風』(人工大理石)にしたほうがよさそうです。
御影石に関しては・・・
すいません。
お墓によく使われている以外の知識がありません。
よくわからないので画像を貼っておきます。笑
これね。
和風の立派なお宅や、ちょっとよさげな旅館に玄関に使われていたりしますね。
御影石もお値段が高いので御影石『風』タイルが使われることが多いです。
玄関ホールの床材について
もう一度1階の図面を載せてみます。
玄関を入るとまず真正面がエレベーター(黄色い部分)
右側が母の専用スペース(赤い部分)
左側が洗面所やお風呂場など共有スペース(青い部分)
で、玄関ホールが黒の①と②になります。
①はどちらかというと、廊下的な意味合いのほうが強いかもしれません。
- ①は母のスペースへ通じる廊下
- ②は子世帯のスペースへ通じる廊下
この役割の違う二つの部分を、それぞれ分けてデザインしたら面白いよね、という話になりました。
- この時点で母スペースと2階の床材が決まっていた
- しかもそれらが全然違う色だった
- 階段は2階の床材の色に合わせていた
- つまりは階段と母スペースの床の色も全然違う
普通は1階のホール部分は母のスペースの床材と合わせたほうがきれいに見えますよね。
ドアを開けたら見切れて違う色のフローリングなんてちょっと違和感あります。
上の画像を見てもわかるとおり、母のスペースへ行く廊下と階段の1段目色が違っていますよね。
母の部屋はダークブラウン
2階、3階は赤系のブラウンだから。
そこへ、中央縦の廊下を違う素材にするということは3つの色が入ってしまうということになります。
それぞれがケンカしないようなものを選ばなくていけません。
フローリングだとどうもしっくりこない。
バラバラな3種類の木材が、ガチャガチャしてしまいそうで。
じゃあタイルを探してみようと必死に探したものがこれです。
2種類のタイルを使って、玄関から階段への縦のラインをより強調してみました。
ひとつはマットな黒いタイル。
もうひとつは名古屋モザイクタイルの麻の葉というタイルです。
引用:名古屋モザイクタイルHP
漆黒という色です。
目地もブラックにしてもらいました。
ベーシックカラーは漆黒と͡胡粉色(こぶんいろ)という2種類。
その他にアクセントカラーがあります。
引用:名古屋モザイクタイルHP
組み合わせて貼ったりしてもOKです。
こんな感じです。
引用:名古屋モザイクタイルHP
これを廊下全体となるとガチャガチャしてしまいそうなので、2種類に貼り分けて正解だったと思っています。
それにこの割振りの分量、すごく好きです。
途中、麻の葉が見切れちゃってるとことか、好きだなー。
自分の家ですけど。
それでもやっぱり、家が完成してから、階段の1段目の色が浮いてるところがどうしても気になってしまって。
これまた漆黒の長細い花器を買ってきて、同じく長細い棒状のものをさして踊り場のところに置いてみました。
視線が床ではなく上のほうに来るので、違和感がいい感じにカバーできたかなと思います。
以上、今日は玄関のこだわりをご紹介しました。
天井も気に入っているのでよかったらこちらもご覧ください。