絶賛家づくり中の皆様は、毎日たくさんの素敵な家の画像を目にしている事でしょう。
私も家の計画中は、雑誌やネットで参考になりそうな画像を集めたり、気になるモデルルームへ見学に出かけて目を肥やしていました。
家を建てると決まってからのフットワークの軽さったら、自分でも驚くほどです。
今日はそんな家づくり中の皆様の息抜きになるような記事を書いてみようかと思います。
お題はタイトルにある通り、世界のヘンテコな家!
何じゃこれ?!という家から、ひょっとして参考になりそう?!というような家まで、世界中のヘンテコな家を集めてみました。
あえて不安定な家
まずはニューヨーク州ゲントにあるとっても不安定な家からどうぞ。
これはアーティストのアレックス・シェヴェーダーとワード・シェリーの二人による作品。
コンクリートの柱の上に置かれた箱型の家が、風と人の重量によって回転したり傾斜したりするという、まるで遊具のような家です。
動画で見るとどんな動きをしてくれるのかわかりやすいかも。
1週間分の食料を買い込んだら、5日間この家での風任せな時間を楽しむんだとか。
いくら風や自分の重さで動くとは言え、乗り物酔いのような状態にならないのかしら。
景色に溶け込む家
ロビンパーティントンによって設計されたイギリスで最も有名な慈善家レディハムリンのホームウッドハウス。
この家は150エーカーの農地と牧草地、ブナの木に囲まれた緑豊かな場所に建っています。
そんな美しい風景を邪魔することなく、穏やかな傾斜の中に溶け込むように作られた美しいデザインが印象的。
ご覧のように家の中は何ともゴージャス!
構造は1000トンものコンクリートを使った頑丈な作り。
あれほどの土や芝生を支えないといけないのだから当然と言えば当然ですよね。
調べてみるとホームウッドハウスのような芝生に溶け込んだ家が世界にはたくさんあるようです。
こちらは先程の家よりもグッと庶民的。
サイトに記載されている『ウォークオングリーンの屋根』という表現が素敵です。
室内はとても明るくて曲線のあるガラスがとってもユニークです。
そして職人泣かせの予感・・・!
丘の中腹に建てられたこちらの建物、1階が寝室やサニタリーなどのプライベートなスぺース。
2階がリビングダイニングとキッチン、そしてここからウォークオングリーンの屋上へとアクセスできるそうです。
なんだかニュージーランドのホビットの家を近代的にしたようなデザインです。
こちらが本家のホビットハウス。
大雨の日はどうなるんだろうとか、草刈り大変そうだななんて、庶民のわたくしは勝手に心配してしまいます。
世界最強の狭小住宅
狭小住宅だから寝室がこんなに狭いのね、と思った方。
世界最強の狭小住宅はあなたのイメージのさらに上をいきますよ。
なぜって、ワルシャワにあるこちらのケレットハウスの全貌をご覧くださいませ。
これを見てもちょっとよくわからないですよね。
勘のいい方はもしやとお気付きの方もいるかしら・・。
お察しの通り(?)こちらのビルとビルの隙間に挟まれた家(と呼べるのか?!)がケレットハウスです。
一番幅の広い場所で約152cm。
ケレットハウスを設計したヤークブ・スゼスニーは、戦争によって乱立した都市部のビルとビルの隙間を埋めて、空間の無駄をなくすことを目指したとか。
ミュージシャンや建築家など、アーティストであれば2500ユーロ(日本円で約31万円)で10日間滞在することができるようです。
創作活動をする(できる)場所はどこだろう・・とつい間取り図を見入ってしまいます。
こちらは建築中の貴重な1枚。
外壁がなくてもこの狭さ・・。
ビルの隙間のこんなに狭い場所でも室内はとても明るいのが意外です。
それにしても、敷地境界線から建物の距離に関する決まりはポーランドにはないのでしょうか。
よく中国でビルとビルの隙間に子供が挟まったというニュースを見ますが、まさかこんな隙間に家を建ててしまうなんて驚きです。
最強のエコハウス
南太平洋鉄道で布張り職人をしていたジョン・ミルコビッシュが自らの手で作り上げたこちらのビールカンハウス。
なぜ『ビールカン』ハウスかって?
実はこの家、ビールの缶でできているんです。
大理石や石、金属片などをコンクリートやレッドウッドに埋め込んで庭を作っていたジョン。
ある日ふと家に目を向けアルミサイディングを貼り始めたところ、ビールのアルミ缶でも代用ができるのではないかと思いついたとか。
18年もの歳月と、5万本をこえるビール缶を使ってこのビール缶ハウスは誕生しました。
屋根からぶら下がったビール缶がカラカラときれいな音をたてていていい感じです。
公式サイトでは、ビールカンハウスが完成するまでのヒストリーが詳しく書かれています。
使われているビール缶はジョン自身とジョンの妻メアリー、それから彼らの隣人が飲んだもので銘柄はバラバラ。
そしてなんとも面白いのが、屋根からぶら下げたアルミ缶のおかげで光熱費が下がったのだとか。
ビール好き、そしてきれい好き(ゴミを貯めるがのが嫌だったんですって)なジョンによる究極のエコハウスです。
自由過ぎ!なシェルハウス
実は世界にはシェル(貝)をモチーフにした建物がいくつもあることをご存じでしょうか?
こちらはメキシコのナウカルパンにあるシェルハウス。
その名もノーチラスハウス。
外観からは家の様子が全く想像できませんが、外観同様、室内も自由過ぎるデザインになっています。
こちらは『シッティングエリア』
ご覧の通り、室内は芝生と植物に覆われています。
外観のアクセントにもなっているカラフルなステンドグラスが、ティムバートンチックな世界観を醸し出してます。
植物の中に鎮座しているソファーがお花の形というところもポイントです。
別角度から見てみると、ほんとに映画のセットの一部のようです。
エントランスのドアの大きさからして、かなり大きな建物だと思われます。
とても奇抜なデザインのノーチラスハウスですが、実は2人の子供がいる若いカップルのための住居だというから驚きです。
ここに家族4人で暮らす生活が全く想像できません・・・。
従来の箱型の家ではなくもっと自然に溶け込んだ生活ができないだろうかと考えた末、ハビエル・セノシアインによって設計されました。
ポップなシッティングエリアとは違い、意外にもほかの部屋はシンプルでモダンなデザインになっています。
鉄筋コンクリートの一種であるフェロセメント(*)という構造により、丸みがかった自然な曲線が印象的な室内になっています。
(*)フェロセメント:鋼鉄で補強された金網のフレームに強度の高いモルタルをコーティングしたもの
なんだかトルコの洞窟ホテルのような雰囲気です。
ノーチラスとは日本語でオウムガイを意味します。
コンセプトの通り、室内では美しい螺旋状の曲線が多く見られます。
こちらの洗面台のデザインなんて、ほんとに素敵ですよね。
ランダムに張り付けられたタイルが人工的な雰囲気を抑え、自然に溶け込んだ生活がしたいというオーナーの意思を尊重しています。
所々にあるトップライト(と言っていいのか)が陰影のメリハリのポイントになっています。
この家を設計したハビエル・セノシアインによると、ノーチラスハウスはとっても頑丈でメンテナンス要らずだとか。
設計図がどんなふうになっているのか興味があります。
世界のヘンテコは家は日本の家づくりに活かせるのか?
いかがでしたか。
今日は世界のヘンテコハウスを集めてみました。
何この家?!と思ってよく調べてみると、意外なことに素敵な家に思えてくるから建築って不思議です。
一見『普通じゃないunusualな家』ですが、環境や生き方、人生の価値観など実は背景に壮大なテーマがあったりするんですよね。
そしてコンセプトに対する建築家やオーナーの思いが強すぎる・・・!
息抜き的な記事を書いたつもりが、建築に対する探求心がますますパワーアップしてしまいました。
少々無理やりではありますが・・・
- マイホームへの突き抜けた思い
- 明確なコンセプト
- コンセプトに合った素材感
- 明かりのとり方
- 環境への配慮
こんなところを、世界のヘンテコハウスから学ぶことができました。
いやぁ、それにしても、世界にはいろいろな人がいるものですね。
それもまた勉強、ということにしておきます。
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