南向きの大きな窓って
どの家にもあてはまるスペシャルなアイテムなのか?
賃貸でも分譲でも
土地でもマンションでも戸建てでも
南向きの間取りってとても人気があります。
マンションだと、同じ間取りでも方角によって値段が違うなんて当たり前。
でも、南向きのリビングにこだわりすぎて、その土地のもっといいところに気づいていない可能性はないですか?
今回は、南向きの土地に建っているのに、あえて南向きにリビングを作らなかった我が家の成功例をご紹介します。
南向きのリビングにこだわらなかった我が家の場合
どうして南向きにリビングを作らなかったのか
南向きに大きな窓があって、太陽の光がたくさん入る明るいリビング
素敵ですよね。
誰もがイメージする、理想的なマイホームの風景のひとつかもしれません。
我が家の場合、南東側に庭があります。
つまり、『南向きの大きな窓』が可能な立地にあります。
けれど、リビングにはあえて南向きに窓を作りませんでした。
南向きには大型のテレビを壁掛けにできるように、壁面を大きくつくりました。
そのかわりに、東と南西に大きな窓を設けました。
なぜ南向きの土地に家を建てたのに南向きのリビングを作らなかったのか。
理由は以下の通り。
リビングに南向きの窓を作らなかった理由
- 3階がリビングの為、暑さ対策として
- 南以外の方角が魅力的だったから
- 南向きに視界に入れたくないものがあったから
正直に言うと家が完成するまでは少し不安でした。
キッチンなどの設備を含むインテリアが全体的にダークトーンな我が家。
南向きの窓がなければ、部屋が暗くなってしまうんじゃないかって。
けれど実際に家が完成してみると、結果的には『狙い通り』の大成功だったと思っています。
南向き以外に窓を作った我が家の現状
以前の記事にも書いた通り、現在の住まいは建て替えによるものでした。
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失敗しない家づくりのために設計前にするべきこと
建て替え前は、サザエさんの家のような広縁のある築20年以上の古い2階建ての家でした。
中古で購入し、数年後に建て替える予定でいました。
なので、常にその土地のいいところや悪いところを探していました。
窓からみえる景色や、季節によって太陽がどのように通っていくか。
周りの音や、隣地の窓や家のつくりなど。
自分たちの土地のことを十分に知ってから家を建てることができたのは、本当に良かったと思っています。
我が家は主人がとても早起きで、毎日朝ご飯を作ってくれています。
東向きの大きな窓から見える朝焼けは最高に贅沢だと言っています。
ここから見える夕焼けが本当にきれいなんです。
最後の最後で急遽作ってもらった西側の窓から見える景色は夕方の一番忙しい時間、私の唯一の癒しでもあります。
遠くに山々を望むことができる南西向きの大きな窓。
快晴の時には大きな一枚の絵画のようでとても美しいです。
北側の小さな二つの窓。
安定的な光と、夏場の心地よい涼風を運んでくれます。
住宅密集地の中の土地の場合、景色のいい方向を選ぶとなるとなかなか難しいかもしれません。
けれど、写真のように一面の風景を切り取るのではなく。
隣家のたった一本の桜の木
家と家との隙間のちょっとだけ見晴らしがいい方向
これだけでも大丈夫。
写真をトリミングするように、窓の種類を変えて最高の方角を見つけてみてください。
どこにもいい景色なんてない!!なんていう残念な土地ならば、最終兵器は空!
外から見たら窓が全然ないのに、家の中へ入るとトップライト(天窓)や中庭があったら素敵ですよね。
消去法で窓の場所を決めるのもアリ
逆に、視界に入れたくないものをよける位置に窓を設けるというのもアリです。
我が家の場合、隣家の屋根の上にある大きな温水器がそうでした。
南向きに大きな窓を作るとガツンと視界に入ってきてしまいそうでした。
その他に窓の位置を決めるうえで配慮するべきことは
- 隣家の窓と自分の家の窓が向かい合わせにならないようにする
- 隣家の換気扇の位置と家の窓が近くならないようにする
- 騒音が発生する方向に窓を作らない
- 畑、校庭、砂利の駐車場など砂埃がひどい場所に窓を作らない
南向きのリビングにこだわらなくとも、快適な家は建てられます
土地にはいいところがあれば、わるいところもあるはず。
その場所に行ってみなくてはわからないことってたくさんあります。
注文住宅って打ち合わせばかりで大変ですよね。
図面を何度も何度も見返して。
これだけ打ち合わせを重ねたのだから、最高の家ができるはず!とワクワクして。
やっと完成した我が家が
こんなはずじゃなかった!
こっちのほうがよかった!
なんて、とっても残念なことですよね。
刻々と場所をかえてしまう太陽の為に『南向き』にこだわり過ぎてしまうのはもったいないなと思うのです。
家づくりを土地探しから始める人も多くいるでしょう。
日当たりの悪そうな土地は、本当に『悪い土地』なのでしょうか。
なにか工夫をすることで、とっておきの場所になる可能性があるのです。
南向きリビングのデメリットについて
南向きのリビングにこだわらなくていい理由として、南向きリビングのデメリットをいくつか挙げてみます。
南向きリビングにはカーテンが必需品
太陽の日差しって、とっても強いです。
真冬の日差しはありがたい暖かさでも、夏には迷惑な暑さに。
エアコンの効率を上げるためにも、日差しを遮る意味でもカーテンが必需品になります。
せっかく南向きに大きな特注の窓を作っても、いつもカーテンを閉めているのではがっかりです。
南向きのリビングは風水的に心配な面も
南向きのリビング自体は風水的にはいいそうです。
- 家族が一致団結
- 家庭内の会話がはずむ
- 思わぬ幸運が舞い込む
なんて言われているようです。
けれど、それもカーテンで太陽を遮ってしまうと逆効果に。
自分勝手な振る舞いが増え、家族バラバラになんてこともあるとか。
南向きのリビングは日中仕事をしている人向けではない
日中、家にいることが多く、カーテンを閉めてソファーでウトウト・・・
こんな人には南向きのリビングはいいかもしれません。
けれど、日中は家族みんな仕事や学校へ行く、という家庭では南向きのメリットは感じにくいかもしれません。
私の実体験から言わせてもらうと、そのような人には東向きのリビングをぜひお勧めします。
南向きのリビングはフローリングや家具の劣化が気になる
天然木の家具で有名な飛騨産業のHPには、家具のお手入れの基本として
家具を配置する場合は、直射日光を避け、冷暖房機の近くは避けて下さい。
木部の変色や割れの原因になるだけでなく、張り布の劣化にもつながります。
こう書かれています。
また、家具業界最大手でインテリア好きにも人気のあるカリモク家具のHPでは、革張り地の長持ち方法として
直射日光のあたる部屋はカーテンをかけてください。
と、まず第一に挙げています。
やはり、家具を長持ちさせてきれいに保とうとするならば、南向きのリビングの場合はカーテンを閉めたほうがよさそうです。
南向きのリビングにはこだわらない!という人がするべきことは?
この記事にも書きましたが、日当たりの悪さは腕のいい設計士さんにかかれば何の問題もありません。
むしろ、ここは設計士さんの腕の見せ所と言ってもいいかもしれません。
もっともっとその土地をよく見てみれば、南向きのリビングのメリットよりももっと大きなメリットが隠れているかもしれません。
信頼できるハウスメーカーや設計士さん、工務店を探して、難しいことはプロにお任せすればいいのです。
ここからみえる景色が好きとか
ここがちょっと気に入らないんだとか
こういうことが心配だとか
『情報』として設計士さんに伝えておくだけでいいのです。
このブログでは何度も書いています。
既成概念にとらわれずに自分たちの暮らしにあった自由な発想の転換
オリジナルな家づくりがいい家を作る秘訣だと思います。
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