先日、写真家の井出貴久さんに自宅を撮影して頂くという、とても貴重な経験をさせていただきました。
積水ハウスやスウェーデンハウスの宣材用写真のほか、雑誌penの建築特集の写真も手掛けていらっしゃる、まさに建築撮影のプロ中のプロ。
井出さんの詳しいプロフィールはこちらからどうぞ(⇒TIUCHIE PHOTOS)
そんな素晴らしい方に、自宅を撮影して頂けるなんて・・・しかも目の前で!
これはチャンスとばかりにプロの仕事をしかと見せていただき、私なりに気が付いたことがいくつかあったのでまとめてみました。
この記事を読んでもらいたい方
- WEB内覧会をしたいけれど自宅の写真が上手に撮れない
- プロがどのように室内の写真を撮っているのか知りたい
- ブログ用の写真はスマホで撮影しているけれど、一眼レフにも挑戦してみたい
- 竣工写真をプロに撮ってもらうから、当日の雰囲気が知りたい
WEB内覧会用の写真撮影テクニック①三脚を使う
井出さんにお話を伺ったところ、撮影中特に気を使っていることは水平に撮影することだと仰っていました。
(もちろん、後々細かい修正をするそうです。)
プロはこんなにも丁寧に撮影するのかと驚くほど、毎回ファインダーをじっくり覗いていらっしゃいました。
ベランダや玄関の上がり框など、段差に合わせて三脚の足をそれぞれ調整することによって、どの場所でも撮影できるのが便利だと感じました。
上の画像の様な場所でも、三脚があれば撮影場所を選びませんよね。
WEB内覧会用の撮影で三脚を使うことのメリット
- 手ぶれを防ぐことができる
- 水平・垂直を意識しながら撮影ができる
- 構図を安定的に決められる
- 高い位置からの撮影が可能
- シャッタースピードを遅くして室内を明るく撮ることができる
初心者にも扱いやすいWEB内覧会撮影にぴったりな三脚は?
WEB内覧会撮影にぴったりな初心者にも扱いやすいおすすめの三脚をQ&Aサイトで質問してみました。
一般的な三脚が扱いやすいでしょうね。雲台も3Wayが良いと思います。自由雲台は素早く目的の方向に向けるのは得意ですが、動かないものをじっくり撮るならその必要性は無いですね。
(引用:yahoo知恵袋より)
室内なので、石突がゴムかゴムとスパイクの切り替えが出来るタイプが良いでしょう。フローリングなどを傷つけにくいです。
(引用:yahoo知恵袋より)
脚のパイプは太い方が安定する。28mm以上が安心です。
(引用:yahoo知恵袋より)
回答者の方に頂いたアドバイスをまとめてみました。
- 雲台は3way(水平と垂直を別々に操作できる)
- 雲台に水準器がついているもの
- 三脚の脚先がゴム製のもの
- 脚のパイプの太さは28mmくらい
以上の条件をもとにWEB内覧会の撮影用にぴったりな三脚はこちら。
WEB内覧会用の写真撮影テクニック②広角レンズを使う
今回の撮影で、井出さんは2つのカメラを使用されていました。
上の画像のように室内全体を撮影する時は、レンズを横から覗くとまあるく見える広角レンズで撮影されていました。
広角レンズとは、人の目で見る範囲よりも広い範囲を撮影できるレンズのことです。
広角レンズの主な特徴な以下の通りです。
- 広い範囲を撮影することができる
- 遠近感を強調することができる
- 奥までピントが合う
まさにWEB内覧会用の撮影にぴったりなレンズです。
WEB内覧会用の写真撮影テクニック③撮影ポイントは部屋の角ギリギリを攻める
体が小さくなるくらいに本当にギリギリのところで撮影してらっしゃいました。
部屋の角ギリギリから撮影する方が、部屋全体を移すことができるというのはもちろん理解できます。
でも、今まで自分はいかに楽して撮影していたかを、プロの現場を拝見して痛感しました。
また、今まで何度も自宅の撮影をしましたが、井出さんが撮影するポイントはどこも新鮮な発見ばかり。
こんな場所から部屋を見ると、こんな風に見えるんだ!と楽しい発見ばかりでした。
WEB内覧会用の写真撮影テクニック③小物を使って生活感を少し出す
今回の撮影にあたり、このブログの趣旨をお話させていただきました。
家が普段の様子よりも格好よく映るのではなく、これから家を建てようと思っている方の参考になるような写真をお願いしました。
そこで
「カタログじゃないんだからちょっとした小物を置いて生活感出したほうがおもしろいんじゃない?」
とアドバイスしていただきました。
「小さい子の靴を置いたら可愛らしいんじゃない?」
とアドバイスしていただき、長女と次女の靴を並べてみました。
本来ならばアシスタントさんやインテリアの本職の方があれこれコーディネートされるのだと思います。
今回は井出さん自ら、小物のチョイスからコーディネートまでしていただき光栄でした。
WEB内覧会用の写真撮影テクニック④映したくないものは徹底的に排除
壁面収納の画像はブログにちょくちょく登場しています。
いつもの画像と比較してどこが違うかわかりますか?
※もちろん両画像ともド素人の私が撮影したものです。
角度が違う画像しかなくて申し訳ないです。
正解は、炊飯器のある列の一番上の段。
青いウォータージャグが黒いストウブになっています。
もちろん、もっといろいろな場所が目に付いたのだとは思います。
「とりあえず、あの青いのはやめようか」とウォータージャグを撤去することになりました。
空間をポッカリあいたままにしない
ウォータージャグを撤去すると、その部分がポッカリ空間が空いてしまうわけですよね。
ポッカリ空間を開けたままにしておくのもよくないようです。
隣の扉に置いてあったちょっとおしゃれな鍋を入れ直したわけです。
2階の主寝室です。
カーテンの脇に、この部屋にはちょっと合わない小さな机が置いてあったのですが、こちらも撤去。
空間がポッカリ空いてしまったので子供部屋にあった籠などでコーディネートしていただきました。
「見せ場を作るといいよ」とアドバイスしていただきました。
横着厳禁!とにかくプロは仕事がマメ
この『撤去して何か小物を加える』という作業は今回の撮影で何度もありました。
もちろん、井出さんが手を加えてくださった後のほうがずっと見栄えがいいわけです。
あーちょっとあそこ気になるな・・・
という小さな違和感をそのままにしないというマメさがとても勉強になりました。
ソファーのクッションのへたりも、相当なおしていらっしゃいました。
撮影用の映え小物があると楽しい
これからプロに撮ってもらう予定のある方は、ちょっとした小物を用意しておくといいかもしれません。
本当にお恥ずかしい話、撮影までの数日間、掃除にばかり気を取られ『物を飾る』という発想が皆無でした。
(心の余裕がなかったとも言えます・・・)
あったらよかったと思ったものは以下の通りです。
- テーブルの上に飾る花と花瓶
- 観葉植物
- お洒落なテーブルコーディネート
せっかくの撮影なのだから、このくらいは用意しておけばよかったと後悔しています。
生活感をちょっと出そう、とIHにやかんを出したのですが、きれいにお手入れできておらずボツになりました。
これも反省です・・・。
WEB内覧会用の写真撮影テクニック⑤電気をつける
撮影当日はとてもいいお天気でした。
午前中から撮影していたので、室内の明るさは十分でしたが撮影する場所すべてにおいて、電気をつけたままでの撮影でした。
そして、フラッシュは使用していらっしゃいませんでした。
撮影しているときは部屋の中が明るいので、電気をつけている意味が分からなかったのですが出来上がった画像を見て納得。
周りが明るいので目視だと全然わからないのですが、画像で見ると照明が下に降りてきているのがよくわかりますよね。
夜じゃなくてもこんなに照明の意図がわかる画像が撮れるんですね。
(もちろん、いい機材×撮影のテクニックがあってのことですけれど。)
WEB内覧会用の写真撮影テクニック⑥動きを撮る
今までカーテンがパタパタしていたら、つい窓を閉めてしまっていました。
井出さんは、そのままカーテンがはためく様子をずっと撮影していらっしゃいました。
出来上がった画像をみると、なんとさわやかなこと!
平面なのに、風を感じるさわやかな雰囲気に感激しました。
日の光も入って、ぽかぽか暖かそうな感じが伝わりますよね。
カーテン以外にも、閉じていくエレベーターのドアを撮影されていました。
エレベーターは扉が閉じている場面しか撮ったことがなかったのでとても面白い発見でした。
WEB内覧会用の写真を写真家に撮影してもらって感じた事
本当に貴重な経験をさせていただきました。
井出さんの経歴(⇒TIUCHIE PHOTOS)をご覧いただければわかっていただけると思います。
建築写真のプロに自宅を撮っていただけるなんて、恐れ多いのと恥ずかしい気持ちで当日まで緊張しまくりでした。
とはいえ、一生懸命考えて建てた愛着のある大切な自宅を、こんな風に丁寧に撮影して頂き幸せな時間を過ごすことができました。
今までいい加減に撮影し、それをブログに載せていたことを「家」に対して少し申し訳ない気持ちにもなりました。
とりあえず、もう一度一眼レフでの撮影にチャレンジしてみようと思います。